詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
鬼で
いつでも
その反対物を想起させる
あらゆる非存在が
存在を想起させるように
通勤電車のなかで思いついた
昨年の2月8日と書いてある
詩は思い出す
かつて自分がひとに必要とされていたことを
詩は思い出す
たくさんのひとたちのこころを慰めてきたことを
詩は思い出す
そのたくさんのひとたちが
やがて小説や音楽や映画に慰めを見出したことを
しかし
それでも
詩は思い出す
ごくわずかなひとだけど
詩に慰めを求めるひとたちがいることを
って
うううん
バカみたいなメモだすなあ
2004年4月15日のメモ
ぼくもしっかり働きに行かなければ!
二〇一四
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