詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
一四年十三月二十七日 「破壊の喜び」


ダン・シモンズの『死は快楽』のなかにある
「プライドや憎しみや、愛の苦しみ、破壊の喜び」(小梨 直訳)
という言葉を読んで
ぼくの詩集『The Wasteless Land.II』の41ページと42ページにある
「虚栄心のためだった」という言葉に誤りがあったことに気づいた
いや誤りと言うよりは
あれは故意の嘘であったのだ
ぼくのほうから別れを告げたのは
じつは虚栄心のためというよりも
意地の悪い軽率なぼくのこころのなせる仕業だった
冷酷で未熟なぼくの精神のなせる仕業だったのだ
ぼくが別れを告げればどういう表情をするのか
どうい
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