詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
「顔もかわいいしな。」
「めっちゃ、生意気!」
もたげてた頭を起こして目を見る
笑ってた。
ぼくも笑った
この生意気さ
ヒロくんと、どっこいどっこいやなあ、って思った
すぐに夢中になっちゃいけないと
こころに向かって言う
まだまだ
ぼくは傷つくことができるのだから
その分厚い胸に頭をもたげて
話をしていた
ぼくと同じように
彼の胸もドキドキしてた
さいしょ
近づくのもこわかったのも
ぼくよりずっと年下なのも
双子座なのも
ヒロくんといっしょ
O型やけど
好きになったら
どうしようって感じ
うまくいきそうにな
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