詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
になったら
うまくいかなかったときのことが思い起こされる
ぼくの目を見ないようにしゃべってた
ぼくが横を向いたら
ぼくの顔を見てた
たくさんしゃべったのに
まだしゃべりたりないって感じで
でも
決定的なことは
何も言わなかった
何度も顔を見つめ合いながら
離れていった
微妙で不思議な時間だった
はっきり言わない
ううううん
人間の魅力って
ほんと
さまざま
二〇一四年十三月二十二日 「シェイクスピアについて」
エンプソンの『曖昧の七つの型』(岩崎宗治訳)上巻の終わりのほう、372ページの後半から引用すると、
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