だから夜露詩句越境推薦/津煙保存
 
引用=用をなくしていく}
臭い立つ汚水は 手ですくえる程しかなく
いずれ湿りもしなくなる


 乾き、臭い、すくう、湿り、と。
 これでもかというほどに、先の水から、体液、汚水、へと身体感覚からの実感的な言及が続く連。
 

日差しよ当たれ 霧雨よ降れ
ぬかるむ足場よ 揺るがぬ島となれ

歩む一足一足を 頼れる山として
悲しみの中で 大いに楽しく生きていこう

 
 楽観に達した語り手の様子が見えるようです。語りの調子に劇的に変化が与えられた連。応答と命令とによりともに飛躍を果たした強さ、大きさを感じさせます。
[次のページ]
戻る   Point(1)