人間アレルギー(短編小説バージョン)/月夜乃海花
 
ことになった。朝は看護師がやってきて、血圧などの簡単な検査を行う。その後、医師による実験がたまに行われた。すると以下のことが判った。

・自分が見られていると自覚がなければ症状は軽くなる、しかし自覚した途端に症状は悪化する
・人間が厚い手袋などをして、温もりさえ感じなければ腕の爛れは軽くなる。ただし、人間に触られていると意識すると症状は悪化する。
・音楽での人の声では症状は生じない。ただし、人の話し声が聞こえると、内容に関係なく涙が流れるようになる

まだ不明なところも多いが、数週間の実験で判明したことから病院の私への対応は変わった。まずは常にアイマスクを付けさせられるようになった。こ
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