人間アレルギー(短編小説バージョン)/月夜乃海花
 
。これで人間が見えることや自分が見られているのを見えなくするというものだ。そして、常にヘッドホンをつけさせられた。曲は自分の好きな曲で良いというので自分のPCとヘッドホンを繋げて、聴いていた。これで人の声も聞こえないようになった。そして、看護師は朝の私の検査をする際はゴム手袋を何重にも重ねてつけてから、行うようになった。医師との問診はチャットで行うことになった。その時だけ、看護師に合図されるため看護師の視線で症状が生じながらもPCを開き、淡々とメッセージのやり取りを行う。もちろん、この問診の際は隔離室には看護師は居なくなる。ちなみに一度だけPCでのビデオ通話で問診を行おうとしたが、症状が悪化したた
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