ピーナッツバタートースト/ホロウ・シカエルボク
臭いが微かにした。マリの頭はへこんでいて、すぐそばに、マリの人生の象徴だったあのトースターが転がっていた。あたしは腰を抜かして、動けなくなった。這うようにそこを離れて他の部屋のドアを片っ端からノックした。三つ隣のおじさんが出てきてくれた。電話を貸して下さい、と頼むと、すぐに部屋に入れてくれて、コーヒーを出してくれた。きっとあたしは酷い顔をしていたのだろう。なにがあったのか、と聞かれたので、友達が殺された、とあたしは答えた。どの部屋かね、とおじさんが言うので、部屋の番号を教えた。おじさんは部屋を見に行って、帰ってきて、警察に電話をかけた。それからあたしを病院に連れて行ってくれた。
犯人はやっ
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