ピーナッツバタートースト/ホロウ・シカエルボク
が抜けちゃったのね。
熱は数日で引いたけれど、店長があたしを気遣ってもう数日の休みをくれた。あたしが休んでいる間に新人が入ったって。すごく出来る子だから心配しなくて大丈夫だよって。あたしはお言葉に甘えることにして、マリを訪ねてみることにした。最後に見かけたあの後ろ姿が気になっていた。少し細くなったみたいにも見えたし、なにより、歩き方もそうだけど悪い病気にでもなったみたいにあたしには見えた。あの男かしら、とあたしは考えた。
マリの部屋の鍵は、かかっていなかった。そんなことは度々あったからそんなに深く考えずに部屋に入った。キッチンでマリがうつ伏せに倒れていた。今まで嗅いだことのない臭い
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