ピーナッツバタートースト/ホロウ・シカエルボク
らし始めた。ささやかなものだったけれどそれは自由に違いなかった。ことわっておくけれど、マリみたいにおんぼろなアパートメントじゃなくて、もう少しちゃんとしたところに住んでいた。もちろん、私の稼ぎで無理のない範囲でということだけど。マリは私に半年ほど遅れて親元を出て、私の住んでる区域の端っこに今の宿を見つけた。勘当されたって噂で聞いたけど本人には聞かなかった。お休みの日がちょっと騒がしくなるかも、そんな風に思ったことを覚えている。なんだかんだで楽しい日々だったと思う。時々は二人でちょっとした旅行をしたりもした。馬鹿みたいに並んで写真をたくさん撮った。どうしてあんなことしたんだろうっていまでも時々思い出
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