ピーナッツバタートースト/ホロウ・シカエルボク
 
の時からの付き合いだから、お互いのボーイフレンドのことも、どこまで行ったのかってことも、大体のことは知っていた。本当にあたしをやっつけたいときには、そいつの名前を口にすることもあった。でもそれで何度か絶交したから、最近はあまり言わなくなった。担任のお情けで卒業して、遊べる友達がみんなどこかへ出て行って、この街にはあたしくらいしか残っていなかった。あたしは学生の時からバイトしてたレストランの居心地が好きだったから、ずっとそこに通っていた。いつか出て行きたいと思うこともあるかもしれないけれど、いまはそんな暮らしが気に入っていた。都会に行ってお洒落な仕事に就きたいとか、大富豪と結婚したいとか、アーティス
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