常にこえたい/道草次郎
、手は常にぎこちなく、いつだって何か足元の物に躓くし、一つひとつの所作が無駄の塊で見るに堪えない。
今までもそうだった。
僕は今まで、誰よりも何も出来なかった。
ぼくがまともにできることは
一つも無かった。
だから
だから
こうして書くことしか今のぼくにはないのである。
ぼくはそれがとてもかなしい。
僕は分業制というものに
生存の知恵を見出すものの、
それ以上のかなしさをそこに感じるのである。
しかしぼくはぼくの知能指数をどうのと言うのは、それはぼくの精神がひどく悪いからだろう。知能指数などこんにち別段なにかの指標にすらならないのだし、たとえなったところでそれが何を
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