スノーディストピア 〜穢れた民の逝き道〜(短編小説)/月夜乃海花
 
通ったことがある。しかし、それは二日も続かなかった。授業内容は全て母が数冊持ってきた事典に全て書かれていたものであった。授業中に笑う子供達、休憩中に遊ぼうと話しかけてくる子供達が憎くて仕方なかったのだ。お前達の家族は元気な癖に。ナディエは労働以外の時間はひたすら、学んでいた。母の持ってきた事典は何十回と読み、ボロボロになっていた。ある時、カリムが書物のある場所を教えてくれた。これまた街の外れであるが、さまざまな物が落ちる場所があった。上の民の廃棄場の物の着地地点である。そこには食べ物から服から様々な物があった。そこから七分ほど離れた場所に行くと様々な書物が積み上がっている場所があった。
「もうほ
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