ブナを植える/山人
 
たたびブナの植え付けを開始。元の地形は山岳からの崩落地で、クサソテツなどの山菜が多く出ていた場所であり、多くの巨石がたくさんある悪場だ。大まかな目印線をナイロンロープで引っ張り、植え付けを始める。下方の現場に較べると人工的なナイロン網もなく、比較的良い土のようで作業ははかどった。
 昼からは残念ながら悪天となり、大雨の中植え付けを行った。老朽化した雨具はじわじわと雨水が背中に染み、ひどく不快だったが、気温は高く我慢できるレベルであった。四時少し前には薄暗くなり、早めに声掛けし現場を後にした。 あと二日ほど植え付け終了までかかるであろうか。

 地味な仕事である。そして森林組合の中では最も嫌い
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