11月1日所感(つれづれ)/道草次郎
 
だ。そうすることが自分にとって一番省エネだから。人間は誰も皆何かしら持ち前の傾きがある。その傾きは最初は小さな傾きかもしれないが、年を経るごとに段々その傾斜がきつくなってくる。これはどうも人間の精神の自然な道理のようだ。この働きに必要なエネルギーはほとんどゼロだ。自由落下のようなものだ。だから何もしないで放っておくと、性分の坂はほとんど絶壁ほどにもなってしまい、気が付くともう登れないほどの山となってしまう。

エネルギーの話で自由落下という喩えを出したが、これはしかし、いい喩えでは無かったかも知れない。なぜなら自由落下とは即ち重力の法則に従うことを言うからだ。であるならば、人間は死という地面へ
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