重力アリス 〜Gravity not equality〜 第二章/月夜乃海花
たのしいね!」
楽しそうな犬に吐きそうな私。そして、回る世界。
「出来れば、そのお爺さんの家には早く着いてくれると助かるよ。」
「うん!」
クオウェルに鼻で飛ばされながら何十分か経つと森の中の小さな家に辿りついた。
「ここがおじーちゃんのおうちだよぉ。」
木製で出来たその家はボロボロではあるが、どこか温かみと優しさを感じた。が、クオウェルは家の壁に私を投げつけた。すると、壁に寝そべっている状態になる。痛みは感じなかった。
「ああ、やっと終わった。少し休みたい。」
「へんてこくん、つかれた?やすむ?」
きゅーんと犬は鼻を鳴らすと地面にお座りした。
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