重力アリス 〜Gravity not equality〜 第二章/月夜乃海花
 
んのところにいこう!」

「私はどうやって移動すればいいんだ?」

「うごけないの?そのまま、かぜにのってふわぁってうごいたら、きっとたのしいよ!いいなぁ。」

風に乗る、と聞いてもしや風に乗れば動けるのではないかと思った。が、あることに気づく。風が一切吹いてなく、感じられないのだ。

「この街、風って吹いてるのか?」

静かに何も考えずに感覚を過敏にする。しかし、風を感じることはできない。

「んー。僕にはわからないよぉ。でも最近走っても涼しくないんだぁ。寒くもないよぉ。」

そう言うとクオウェルは鼻でヒクヒク私の匂いを嗅ごうとする。鼻が私に触れたその瞬間。思わず、声
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