重力アリス 〜Gravity not equality〜 第二章/月夜乃海花
 
、声にならない声が出た。数メートル先にふっ飛ばされたのだ。

「あれ?へんてこくん、どうしたの?」

そう言うとさらにこのポンコツ犬は鼻を近づける。

「やめろ。お前の鼻が私に触れると__。」

言ったそばから飛ばされる私。

「だから、あのさぁ!」

「なにこれ!へんてこくんすごいね!」

尻尾を振り、嬉しそうな顔をする犬が1匹。

「じゃあ、おじーちゃんのところにいっしょにいこう!」

そう言うとクオウェルは鼻で私を一定方向に飛ばし始める。まるでゴム製のボールを自分で投げて追いかける犬のようだ。視界が回転して思わず吐きそうになるもじっと堪える。

「たの
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