重力アリス 〜Gravity not equality〜 第二章/月夜乃海花
 
だけど、困ったときがあったらいいなさいって言ってた!」

「その人は人間なのか?」

「人間なのかって?」

「ほら、ここの街の人で今のところ人影じゃない人って居ないでしょう。」

結局、数時間に渡って街灯に座りながらこの街を観察してきたが人間はみな影のように写っていた。影がいつも通りの生活を送っている。人影同士で話したり、すれ違ったりしているのを陰でこっそり見る我々。これではどっちが影と呼ばれるべきかわからなかった。

「へんてこくん、こまってる?」

「うん、非常に困ってます。」

とりあえずこの状態をなんとかするのが最善策だろう。

「わかった!おじーちゃんの
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