取り立てて書く事でもないこと/道草次郎
。そういうことをよくよく考えていくと、人間とはじつにどこまでもどこまでも深いものなのだ。簡単なことは一つだってありはしない。また、そう難しいこともあるわけでもない。あるのはただ、深く、底光りをする何かである。その何かを具体的に名指ししてしまったら、瞬時に瓦解してしまう危ういものであることは間違いない。
ぼくは人より理解力やその他の職務遂行能力が劣っているかも知れないが、本当はそんな事は悩む価値もないことだ。そんなこと少し考えれば分かることだ。そんなことに拘泥しているのは、全くの時間の無駄である事など子供でも分かる。人間は自分の分際を認識し、それに適合する生き方をすれば良いだけなのだ。それが容
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