取り立てて書く事でもないこと/道草次郎
つもりにたまになるけれど、まあ、こういうことも概ねよくある事なのだから、別に取り立てて言うまでもないのが本当なのだろう。
人間はちょっと油断すると何かにつけて自分が一番だと思いたがる。たとえそれがネガティヴなことでも1等でなければ気が済まないのだ。そんな人間の習性はまことに困ったものである。肥大化した自意識というやつは、自意識の収まる器を大きく逸脱して他の大事な部分まで侵食してしまう。
ぼくは自分がダメな人間だなんて思ってはいない。思えないのだ。人間とはそこまで度し難く、また罪深いものなのだ。最終的には自分を愛してやれないような人間は、人間というよりも人間に似た偽者に過ぎないだろう。そ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)