9月30日雑記/道草次郎
 
を置こうとする。つまり、人の世は、自分をつまらない人間と言うような類の人間のことは容易に信じないのだ。なぜなら、そういった人間がいつかはその意を翻し、牙をむくであろうことを直感的に知るからだ。
 人は、永続性を希求する。基本的に安定を志向する。この永続性と安定志向が社会の根幹にはある。いつ豹変するか知れない人間はこの根幹のことわりに背く存在でしかないというわけだ。しかし、なぜ一個人がこの永続性と安定志向に背くことを言ったり、それだけはない、じっさいにそれを行なったりするのだろうか。それは、宇宙の根幹が非永続的であり不安定であるからに他ならない。宇宙の中に社会がある。ちょうど混沌の中にコスモスがあ
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