9月11日の付箋/道草次郎
クしていたのだが。面接も思っていたほどうまく話ができなかった。面接官にじゃあこれからあなたのアピールポイントを言ってくださいと言われ、軽く頭が真っ白になった。
数年前なら適当にあることないことペラペラ言えたのに今日はダメだった。もっとも口から出まかせはどうせ面接官には見抜かれる。だからマイナス評価だったのだろうが、その時は少なくともこちらとしては平常心だけは保てた。脳の機能に変容がみられることを自覚せざるを得ない。人間は年をとると、あるいは服用している薬如何によっていくらでも変わってしまう。それを痛感した一日だった。
不幸や憂鬱を書くことに慣れすぎているせいか、日常に、小さな驚きが転が
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