註釈祭/道草次郎
 
そうにとび跳ねる夢も何百年とやまない確率論の雨にふやけてしまった。
別の物理法則が支配しているせいで、どこまで行ってもただぼやーとした虚無が拡がるばかりの宇宙があるかも知れない。また他の宇宙ではビックバンが起こってすぐにビッククランチが起こったり、ビッククランチの収縮過程が膨張に比べ一兆倍緩やかな宇宙だってあるかも知れない。そんな宇宙で生じる生命の進化(逆進化?)は、どこまでも遅々としてしかその歴史を逆流しないだろう。一匹の魚らしき生物が陸から海に後退りするのに40億年かかることだって有りうる。

※8我々が四次元の陰影をここ三次元空間に於いて見い出すように、ある別の宇宙における螺旋状の子午
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