註釈祭/道草次郎
 
は賭けても良いが国立国会図書館の何処かの棚には絶対に『誤視の文化史』とか『見間違いと共時性』みたいなタイトルの本がある、はず。車でマンモグラフィの検査車とすれ違った一瞬、つまり二度見の一度見(目)の瞬間、車体側面に書かれた文字をマンモス・グラフィティと誤読してしまったのだ。
二度見のうちの二度見(目)によって錯誤とそれに伴う混乱は斥けられはしたが、常識の宇宙が再び舞い戻っても哄笑めいた気分を逃がし切れず少し困った。時間にしてコンマ0.5秒にも満たない間ではあったがその印象の強烈さたるや喩えようもない。

マンモス・グラフィティ。この言葉に隠されているのは、絶滅した大型哺乳類たちの驚くべき青春
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