発生学/道草次郎
く。。。
不安だよ、不安。でも生きていかなきゃならないんだし、今纏ってるこの肉の服を着た時の記憶はすっかり喪失してしまった。
だから、故郷の思い出も作り物。
それは桃源郷さ。
答えの出ぬまま夕方だ。
風鈴はその間ずっと鳴っていた。詩の行き着く先は、なんだ。
何かしらを恣にした軟体動物のような意識は共同のモチーフにすら接近できず、たゆたって胡乱に、霧島壁にへばりつく。
菌糸類よ。
君たちにたましいはあるのかい?地球の至る所へ分け入り、その内核にまでくい込まんとする君たちは、ほとんど宇宙風と言っても過言でない。
君たちに論理機構は
掻痒であろう。
たましいのみがゆるや
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