未日記/道草次郎
心ホッとした。卑しい心理というやつだ。往々にして人を生かすのはこうした心理だろうか。であるならば、かなしいことだ。かなしい?…けれども日々は続きまた太陽は昇る。それさえもかなしいというのなら、おい、時間を停める魔法や昇らない太陽を神様にお願いするしかないんだぞ。(つまらない独り言である。)
ところでさっき話に出たゴリラみたいなやつだが、あれにはぼくも閉口した。新人という新人を片っ端から痛ぶりそのくせ上役にはうまくとりいるような卑しい奴だった。ぼくも散々やられたが、ある時あんまり頭にきたので直属の上司をすっ飛ばして本部長と社長に直訴したことがあった。夜勤への引継ぎの時、ぼくが選別機のエラー
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