朔夜/あらい
秘密の扉を見開いて
きみの口紅が可愛らしい模様を紡いで為す、ティッシュ上の
「………あゝ」
再生機能がイカれたデッキのブラシで神をも落書きに透かす、僕らは嘘を呑み込んだまま永遠に此処で頷き合おう。
まるであの世とこの世の境目でぴんと張った臓腑をつついたみたいね。真っ赤な身を見透かすよう。もう、もう、睾丸が転がった、あ、あ。 けたたましくわらいあいて!
まじまじと空っぽの君に縫い合わせる。沙羅に昇華された粘液が全て梳かすまでどれほどの時が必要だろうか。実に改変されたものは喰らわねば意味も無いのに見つめてくれようか、最後のときまで。
食卓に灯された蝋燭に、揺らぐ君の瞳の
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