混沌ー予備校のことなど/道草次郎
世界は混沌そのものとして立ち現れてくるのかもしれない。その混沌を理解する手立てを持とうとするには、若さはあまりにも純粋で潔癖過ぎるという事だろうか。
しがない一人の中年男が過去を顧みてそこに一つの結論を見出す事など容易いはずなのだが、やはりぼくはまだ子供なのかも知れない。いや、むしろ老成し過ぎているのだろうか。
正直に言うと、何もかもよく分からないのだ。ああいった一つひとつの出来事にもちゃんと意味があり、因果法則のようにそれらが相互に関連し合っているとはなかなか思えないのだ。
世界にはカオスという途轍もない巨大な塊があるだけで、肥大化する太陽のようにジリジリとこちらに迫ってくる事
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