内界の廟/あらい
思いたい私の我が儘の元なのです。
されどわたくし、これにて多少の安楽を抱けるのですから、口先化かしして、ゆるしておくんなまし。
私が齎す思いの凡てであっても、その細き眼差しも熱き腕も、もう既に有り得ない事柄に身を沈ませるよりは、この心の拠所でしか生きれない、私も貴方も、
平穏無事に愛を囁きあい〆シメて此処に置いて、ならば隠し持ち射て内内に灯す。このひとときの幸せを忘れる前に、決して無くさないように、
「御一緒に。ねえ、死んでは頂けませんか? 」
そおと胸に沈ませましょうよ、何時ぞやに吐き出した錆びた合い口(匕首)をコトダマに漏らし滑らし、逸走、一層に散らして欲し
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