内界の廟/あらい
 
欲しいのです。しまいまで藍に溺れて 哭き濡れる紅の秘をいただきに輝かせて、共に最期の明日を迎えましょう。未来が明るいうちに、シ舞い込んでしまいましょう。
 
 愛に溺れて逝く、薄明に抱かれながら 地平を散らしていく朱彩アカダミ。
 雅な金泥・白泥に塗れる。だましだましの偽薬(嘘)を喰らい、最後に魅せる気色(経路)が、彼方の霞で有ることを男と女は根底から知っていて直、共にあいせしめ、未来を垣間魅せては瞳を閉じる。
 いつの世もまた信じられている、愛の偽りを知る。浮かんでは沈む小舟のように私の心は漂うまにまに、ただ光を求めて。何処までも続く流れに恐れ慄きつつ因果の片刃を踏みつけながら暗がりを好んで進む。その不可逆を信じたいから。一度きりの道を軽く往きたいと願う。
《陽とヨ》の廓に詰まる終止符を、常々分岐の廟に射ちたいと思う次第です。
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