ルート19号の幻想/道草次郎
 
は必ずと言っていいほど深刻だった。春に会った友達は、久しぶりに会うと決まって暗い顔の背の高い人になっており、僕は取り残された草食動物さながらツンドラみたいな原っぱに立ちつくすしかなかった。

中二の夏から中学校に行けなくなった僕は、いっとき中間教室へ通ったりはしたものの、卒業式には出席できなかった。卒業式では、ぼくが臆面もなく提出した「卒業式に出られない苦しさについて」という文章が代読されたらしい。僕はたまたまそれをモスバーガーでバイトをしていた同級生から聞いた。

そんな風に、ぼくの十五は、もちろん盗んだバイクや反抗とは程遠く過ぎて行った。

その後、ぼくは、沢山の集団に於いて幾人か
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