冒険/タオル
も「夢の中限定」の人だ。
急に気がついてびっくりした。
なんだかこのひとが凄く面白い人に思えてしょうがなくなり、このひととどこか冒険へ行きたいと妙に切実な、願うような気持になり、伝えたらどうなるだろうとかまで思った。でも声にはださずこらえた。
カチャカチャカチャとやや執拗に人差し指でマウスを叩いているが、画面は無慈悲に固まったままだ。どのみち、それ以上の画像も情報も要るように思えなかった。
そのひとがパソコンの画面のほうを向いたまま、うすく笑った(気がする。)
気がつけば、スコップはもうどこかに失なわれていた。
『散歩に行きますか? 目ざめるかもしれないですけど。』
わたしは用心し
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