黄金挽肉炒飯殺人事件/墨晶
は
溶き卵が固まらぬうちにすべてを混ぜ合わせ皿に盛り
残りの刻み葱を散らした
・・すべては禍々しくも音楽のようでした
しかし
一音もミスタッチせず
ご主人は演奏なさった
─ やめろ! もうやめてくれ!
オレは今までこの世には二種類の存在しかいないと思っていた。オレのチャーハンを喰う人間とそうでない人間だ。しかし今、オレの目の前にいるのは客の姿で出現した「神」だった。オレは今、「神」に秘めたる罪を糾弾されているのだ。
それにしても
この時勢のさなか
チャーハンはもとよりスープにさえ
ご主人はMSGをお使いではない
チャーハン スープ
そしてチャーハン
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