黄金挽肉炒飯殺人事件/墨晶
つけたがすぐに他の汚点と見分けがつかなくなった。それが左目で見えた。何故か左目しか見えない。「出来事」と感知し得なかったほどの風船が破裂するような短か過ぎる爆音は本当に音だったのだろうか? 涼しい。右目から頭の奥へ冷風が吹き抜けるような感覚がする。
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─ シリンダーを解除し拳銃を傾けると薬莢が、風鈴のような音をたてコンクリートの床に落ち、流しの下に転がった。この弾丸はいつかオレの頭を打ち抜く筈だった。何故だ? 何故いつも、他人だけが死んでいくんだ? オレには、死ぬ資格さえないのか?
「ご主人」 肥った客が立ち上がった。
大変 美味いチャーハンでした
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