黄金挽肉炒飯殺人事件/墨晶
 
ろう。別にこの先輩が指導責任者と云うわけじゃない。それならこっちは勝手にやらせてもらう。こんな社員なんてその内お払い箱になるに決まっている。蹴落とすことだって簡単だ。こんなひとにはまったく意味不明だろうけど、僕の訓話を一応聞かせてやろう。

「そもそもですね、エビも刻みカマボコもコーンも入っていないじゃないですか。変だと思いませんか? 必須な刻みハムのかけらすら見あたらなかったじゃないですか。これは絶対チャーハンなんかじゃないですよ。それに、なんですかこの味の薄さは!」

─ 食べ終わった。スープも飲み干した。さて、このデュラレックスに注がれた液体は何か・・こ、これは・・凍頂烏龍茶じゃな
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