黄金挽肉炒飯殺人事件/墨晶
ち] へ行ってしまった。
[ここ] を愛せないんじゃない、「愛」こそが不適切なんだ!
男 ─ この八角玄象館の店主は厨房裏の材料庫の隅にしゃがみ込み耳を塞いでいた。あらゆる呪詛の言葉がこの男の脳を、肉を、骨を蝕み犯し続けている。二十四時間、目が覚めていようと眠りの中だろうと、男は声に追跡され監視されているのだ。
─ [エル] もやった。 [草] もやった。 [キノコ] も [サボテン] も全部やった。でもだめだ! あの「声」を振り切る為には、オレにはもうアレしかない! アレだけがオレを救済するんだ。
オレには「資格」がないとわかった。だから、だから、自力でそこへ行ってやる!
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