黄金挽肉炒飯殺人事件/墨晶
 
る! 選ばれた人間がいるならば、オレはソイツらから権利をむしり取るまでだ! 畜生! 畜生! 畜生っ! カネだ、カネなのさ! 結局カネなんだよ! [あっち] へ行くにも [ここ] に留まるにも、そのあいだを彷徨うにも、すべてはカネさ! カネさえあればアレ三昧さ!

 男のしゃがみ込む材料庫の床を、握りつぶされた黒い煙草のパッケージのようなものが埋め尽くしている。
 すると、新たな「声」が聞こえた。いつもと違う「声」だ。 

─ 「すいません」? 「注文」? 「おねがい」? 
謝っている。要求している。希望を語っている。これは、つまり・・

「カネを払ってやるから何か作って喰わせやが
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