雨漏り/あらい
 
は無いので漏れている紫煙

いつか誰かに見つけられることを信じて魂を灯す
もう足の腐った、地に這えた、黒い塊でしか

ない
どこにもない

私が私たる所以も誇りもあるようで触れもしない
己が思い出しかない音色を口ずさむが
誰が認めてくれるのだろうか
もう既に嘘も真も無いほど遠く風化した形に鳴る

いやいや今現の時の流れに介錯され
死んでいく今の流れを如何にして、
汲み取れるものなのか。

飲み干してしまえれば 底も見えようか
殻の空似、何があるのだろうか
飲み下され、そこらで脱糞を果たす
汚らわしい、まちびとを想う

小生
ピアノの音色を飲み込んで唄う
[次のページ]
戻る   Point(1)