紙一重の余蘊/あらい
いくつかの時に亡くなったはず)
わたしの虚勢と共鳴する
そこに今はない。羽根を纏いて置く奥に
ゆめであえたからこそ海岸線をなぞらえる旅に出た
生と死の狭間を辿ることとする、
人類全てきょうだいではなかろうかと。
紫陽花小道は灰色の空に愛されている
公園は今日も賑やかな色をしんと傍に添え
雨に塗り替えられたベンチに、そっと視線の熱を落とす
終わらない深淵に崩された秘奥の群青がある。
白く泡立つ波に、面が立ち騒ぐとも
蝙蝠の葬列に参る若い烏がおかしく哭き喚く
白い牙をむく、荒波も
惜しげもなく小首も傾ぎ、
そのうち太陽の熱波は私に何かを訴えるよう、
誰かの
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