紙一重の余蘊/
あらい
かの生首が腰を据えている。明日の天気は
蓼沼に生息す 鬣燃ゆる 陽の残照とする。
今夜も きっと我が物顔で 火を灯す 働き蜂が
絣の紅葉、胸の内に 楚々と油を注ぐのだろう。
擬声を伝える水銀計は十九時の焼け跡を記す
模した心が爛れては傷んだ深草シンソウに静め
虚勢を張りぱちゅぱちゅと崖にうちつける、
これが溶けかけた夜。
南月が凪いだ波上すら、どこまでも、なだらかに栄える
あますところ、スケープゴート
あなたに身も心も捧げていた、月の影
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