恋昇り11「合格」/トビラ
』。それは、その一つなんですよ」
「私以外の四人は?」
「申し訳ありませんが、それはお伝えしかねます」
私は、嫌な汗が流れるのを感じる。
「ただ、今日のことはどうぞご内密に。貴方が、貴方以外の人にこの話しを伝えた時点で、選考難度がほぼ合格不能の水準にまで上がってしまいますから。貴方の守りたい人を、守りたいのなら、口をつむぐのが賢明でしょう」
私は、頷く。
「さて、ここで、選考に合格した貴方にご褒美があります」
「ご褒美?、ですか?」
「はい。私が叶えられる限りで、用件を承りましょう」
「一つ、ですか?」
「内容にもよりますね」
私は考える。
「一ノ世君を救け
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