恋昇り8「きっと大丈夫」/トビラ
いね」
「俺たちじゃこれ以上わかんねーからな」
オレンジジュースを口に含む。
水っぽくなって、オレンジジュースの味わいが薄れてる。
「ま、難しいことは連座に任せて、俺たちは出来ることをしような」
「今の話、山藍さんにすると、菜良雲君のこと見直すと思うよ」
「え? 山藍さんが? 本当か?」
私はちょっと吹き出しそうになるのを抑えて頷く。
「そ、そうか。どこに見直すようなところがあったのか俺にはわからんが、そうか。見直すところがあったか」
「三割くらい盛って伝えておくよ」
「お、おう。でも、三割は盛りすぎじゃないか? 一割くらいの方が、後でがっかりされなくていいんじゃないか?」
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