恋昇り5「心配と信頼とシュークリーム」/トビラ
 
くらいに見えるように化粧する。

夜の雨降り街、 九理の華区(くりのはなく)一理。
通称、忘れ物の街。
ホテルを出ると、ムッとした空気に包まれる。
合成空気。
なんとなく、そんな言葉が浮かぶ。
さあ、『買い出し』だ。

買い出しと言っても、明確に何かを買うわけじゃない。
簡単に言えば、調査。
こういう都市において、拠点の周りを歩き回って、安全性を確かめる。
そのためにすることは、街歩き。
連座の指示があった場所を参考に周りをよく見ながら、歩き回る。
途中、飲食店に寄って、食事もとる。
食事をとりながら思う。
今のところ、気味が悪いくらいに気にかかることがない。
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