気が付いたらボロ雑巾のようにベッドに転がされていた/山人
 
の決断をした。
 手術の時間は十四時からとされていたが、だいぶ遅れるらしいとの連絡があった。結局ストレッチャーに載せられたのは十六時半だった。手術室には濃紺の術衣を着た看護師や医師が大勢いて、物々しい雰囲気だった。
 術式は鼠径部からカテーテルを挿入し、心臓中の不整脈発生箇所をバルーン式冷凍焼却するというものであった。当初は鼠径部と腕、喉の三ヵ所からカテーテルを挿入の予定であったが、前日の検査で難易度はさほど高くないと予想されたようで一ヵ所からのカテーテルの挿入となった。鼻の穴に水あめのようなものを入れられ、それを啜るように言われ啜った。マスクをかけられ、何か夢を見たように気がしたがそこからの
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