猫二匹/トビラ
」
「そう、捨て猫。いるんだね。こんな風に捨てちゃう人が」
「もしかして、今日の話って、この猫のこと?」
「うん、そうなんだ。お察しの通り、この子を一匹、引き取ってほしいの」
宮園さんは、僕の顔をのぞきこむ。
これは非常に断りづらい。
このバターなんとかをもらってしまったし。
それに、僕自身が断りたくなくもある。
とはいえ、僕の一存で決められることでもない
「他に引き取ってくれる人はいなかったの?」
「ん? うん。友だちとかにも声かけたんだけど、みんなダメだって、断られちゃって」
「そこで、僕に白羽の矢が立った?」
「うん、そう」
「ちょっと待って、今、家に電話してみる。
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