Birthday Cake/ツチヤタカユキ
何もかもが、めんどくせえ、と思った。
ルカの言う通り、これは、一生帰って来ないだろう。
「一緒に探しに行かない?」
シオンは、タバコに火をつけながら、その提案を一蹴した。
「冗談だろ?アイツは男と出ていったんだぞ!?もう母親でも何でもねえよ!!」
シオンと話していると、ルカの脳はずっと、
高圧電流に、直に触れてるみたいに、痺れそうになった。
レンは、もう起きているのに、布団から起き出そうともせずに、横になったまま、耳に挿したイヤホンで音楽を聴いている。
二人の怒鳴り声が、レンが聴くイヤホンの音楽に割り込んで、レンの心は、いよいよ忙しくなった。
「だけ
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