Birthday Cake/ツチヤタカユキ
 
だけど家族よ?」

シオンは、その言葉を、呪いの言葉のように感じた。
別に好き好んで、この家族になったんじゃない。
ランダムで決定されただけ。
だから、知ったこっちゃねえ。
そんな言葉を吐いた後、シオンの心は、千切れそうになった。

激情に任せて言葉を吐けば、後で冷静になった時に、後悔が襲う。
頭では分かっているが、シオンは、自分を抑える事が出来なかった。

「何が家族だ?たまたまこんな最低な家に生まれただけだろ?こんな家族、誰も望んでねえのに!」

シオンが右手に持ったタバコの先から、灰が落ちる。

ルカは、その言葉を、額面通りには、受け取らなかった。
いつだって
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