罅/星染
 
脆い信用だ さようなら、君のことが好きでした、そう言ってバツを、罰、偶然出会ったふたりはそのとき、罰されて死ぬの 何も残さないね 残らないね 覗き込んだきみの瞳の色だけ、それでも思い出せるから、きみはきっと、恋以上の果実だったんだな、大きく育って腐り落ちそうな、感情が大きな名前をもって私を蝕んでいく 食べられていく メリーゴーランドの残光、メリーゴーランドの残光、遊園地は潰れたんだよ、目を覚ましてよ、燃えていた、赤い光を吐き出しながら燃えていた、二人で見ていたこと、海の向こうの遊園地、メリーゴーランドの残光……
私が笑って、きみがわらう、そのたびごとに少しずつ生活が罅割れて、その間に雪が積もって
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