罅/星染
ってゆく しんしんと しんしんと私たちの生活に、蓄積する雪は真っ白で、白、じつは純真などではない色、光のすべてを混ぜ合わせてできる、濁った色に、わたしたちは無垢と名前をつけた そんなものはどこにもないのに
いま、その罅に手を差し込んで、せーので開けよう。身を守るだけの世界はいらない、間違えた星は塗り替えればいい、みんな死ね、死んで生まれ変われ、一番なりたかったものにみんながなって、それで世界がおわるなら、何がだめなんだろう 夢が叶うとき 罅は罅でなくなる 大きな一つの死神へと姿を変え 私たちを迎えに、澄み渡った夜空をひとつひとつ、潰しながら歩いてくるのだ、それを、ふたりで灯台の高い窓から見たい 美しい景色だ、それをいつか、楽園と呼び、手を取り合って落ちるのだ!
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